デスクで泣き続ける新入社員に会社はどう対応する?

ページがめくられた本とノート。カフェラテのマグカップ。ピンク色の小花。

仕事への理解を深めさせようと、教育係の先輩社員が新入社員に質問して答えさせていると、注意されたと思ったのか突然泣き出してしまった。すでに何回か研修期間中泣き出すことがあったらしく、その都度研修が停滞したそう。どうすればいいの・・・

 

**

デスクで泣き続ける新入社員を前に、「自分がパワハラしたみたい・・・」と先輩社員は困り顔。注意もできなくなってしまったそうで、頭を抱える人事担当者です。

 

新人教育では、委縮したり、仕事への苦手意識を持たないよう、新入社員の不安に寄り添った対応が求められます。とはいえ、泣き続ける新入社員のために場が凍り付いたり、本来の仕事が滞ったりするのは考えものです

そこで今回は、泣き続ける社員が職場に与える影響と会社のとるべき対応について、詳しく確認していきたいと思います。

泣き続ける社員が職場に与える影響

オフィスの木製のデスク。ユーカリが生けられた花瓶。白のデスクライト。積まれたノートの上に置かれたマグカップ。

社員が職場で泣き続けている間は、本来やるべき仕事がストップしている状況です。そのため仕事が遅れてしまい、残業が発生することもあるかもしれません

 

また、周りの社員も泣いている社員が気にかかるので、仕事に対する集中力が削がれてしまい業務効率が落ちます。自分の仕事を置いて、泣いている者を慰めようとする社員も出てくるかもしれません。ビジネスチャットツールを使って、「〇〇が泣き出した」「なんで?」といったやりとりが職場で延々続けられることも考えられます。

 

就業時間中に泣き出した社員が居たために、仕事をしていない時間が発生し、それによって残業しなくてはならない事態となるのなら、上司(会社)としては当然やりきれない気持ちになります。

 

人間には感情があるため、常にポジティブな状態でいられるわけではありません。とはいえ、周囲にネガティブな感情をまき散らすことで影響を及ぼし、職場環境を悪化させ、仕事の生産性を低下させるのでは、社会人として問題ある行為と言わざるを得ません。では、会社としてはどのように対応するべきでしょうか。

実務的にどうする?

白を基調としたオフィスのデスク。ノートパソコン、リングノート、黒ぶち眼鏡、観葉植物の鉢植。

そもそも社員は、労働契約によって所定労働時間中は会社の指揮命令に服し、その職務に専念する義務を負います(職務専念義務)。

 

所定労働時間とは、社員が労務を提供し会社から対価を得る時間のことだからです。そのため会社の許可承認なく勝手に業務以外のことで、所定労働時間を消費するという行為は、この義務違反となります。

 

職務専念義務は、労働基準法、労働契約法のいずれにも規定されているものではありませんが、労働契約に付随する義務であり、就業規則で規定していなくても労働契約上の当事者である社員として当然に負う義務です。これに違反する場合には債務不履行ということで、普通解雇の事由にも該当します。

 

このように重要な義務なのですが、労基法等に明文化されていないので、職場のルールの中核をなすものとして就業規則に規定し、職場で共有しておきたいところです。

 

職場で机に突っ伏して泣き続けるという行為は、社会人としての礼儀作法に反した問題ある行動といえますから、就業規則の服務規律に定める「職場環境維持義務(会社の施設管理権に服する義務)」をキーワードに、指導するということもひとつの方法でしょう。この義務に違反した場合は、企業秩序を乱すということで懲戒処分の対象となることもあります。

 

**

上司や先輩社員が仕事上で必要な助言、注意を行ったことをきっかけに職場で泣き続ける社員・・・職場のメンバーが気持ちよく働くための、就業規則に定める服務規律について共有することも大切ですが、そもそも(その職場での)適性があっていないことも考えられます。

 

職場のメンバーに迷惑をかけていることを本人に伝え、職業適性(自分の個性や能力に合った職種は何か?)について話し合うことも必要かもしれません。

ピンク色のガーベラやバラが紅茶の入ったカップの周りを囲んでいる。

社会保険労務士高島あゆみ

■この記事を書いた人■

社労士事務所Extension代表・社会保険労務士 高島あゆみ

「互いを磨きあう仲間に囲まれ、伸び伸び成長できる環境で、100%自分のチカラを発揮する」職場づくり・働き方をサポートするため、社会保険労務士になる。150社の就業規則を見る中に、伸びる会社と伸びない会社の就業規則には違いがあることを発見し、「社員が動く就業規則の作り方」を体系化。クライアント企業からは積極的に挑戦する社員が増えたと好評を得ている。

≫詳しいプロフィールはこちらから

伸びる会社の就業規則作成コンサルティング。花びんに活けられた真っ赤なバラ。白の置時計。
社員を伸ばす人事制度構築コンサルティング。談笑するビジネススーツ姿の男女。

無料コンテンツ。ページが開かれた洋書。ガラスの小瓶に活けられた四つ葉のクローバー。
社会保険労務士高島あゆみへのご依頼はこちらからどうぞ

「トップページにもどる」ボタン。マーガレットの花。

【社労士事務所Extension】

社会保険労務士 高島 あゆみ

〒545-6031 大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス31階