家族を海外出張へ連れていく社員に会社はどう対応する?

空港の通路でビジネスバッグを抱え、スーツケースを引くコート姿の女性。海外出張。

事業で海外とのビジネス接点が増えたため、最近海外出張の機会が多いAさん。ところが、出張時に家族を同伴させているらしい。出張が多いので家族旅行の機会も乏しいだろうから、本人は家族サービスのつもりなのかもしれないが、どう対応するといいのか・・・

 

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オンラインでの連絡手段では業務の円滑な遂行を図ることが難しい、ということで現地への出張を命じているわけですが、家族を同伴させて、果たして業務に集中することができるのか?と疑問を覚える上司です。

 

また、もし出張費の濫用があるとすれば、海外出張者に対する人材マネジメント上見過ごすことのできない問題といえます。

 

そこで今回は、海外出張への家族の同伴にとるべき会社の対応について、詳しく確認していきたいと思います。

海外出張とは

新聞と地図の上に置かれたカップ&ソーサ。ラテアートが描かれている。

海外支社の設置や生産拠点の海外への移転などで、国内の職場で働いていた社員が海外で業務に従事する場合において、大きく「海外出張」と「海外転勤」の2つに分けられます。

 

前者の「海外出張」とは、下記のようなものをいいます。

  1. 商談
  2. 技術・仕様などの打ち合わせ
  3. 市場調査・会議・視察・見学
  4. アフターサービス
  5. 現地での突発的なトラブル対処
  6. 技術習得などのために海外に赴く場合

つまり「海外出張」とは、単に業務を提供する場が海外にあるだけで、国内の職場に所属し、その職場における上司の指揮に従って勤務するケースをいいます。ちなみに「海外転勤」とは、海外の職場に所属して、その職場の上司の指揮命令に従って勤務することをいいます。具体的には、下記のようなものをいいます。

  1. 海外関連会社(現地法人、合弁会社、提携先企業など)へ出向する場合
  2. 海外支店、営業所などへ転勤する場合
  3. 海外で行う据付工事・建設工事(有期事業)に従事する場合(統括責任者、工事監督者、一般作業員などとして派遣される場合)

海外出張の家族同伴に会社はどうする?

ダウンジャケットに首からカメラを下げた女性。海外出張。

多忙な会社員にとって、家族と予定を合わせて旅行に出かける機会はそう多くはないため、海外出張を口実に家族を連れていく・・・というケースもあるかもしれません。

 

とはいえ出張は、通信による連絡手段によっては業務の円滑な遂行を図ることができないと判断されるとき、会社(上司)の命令によって行われるものです。そのため、出張者には現地に到着すれば、本来の業務に集中してもらうことが求められます。

 

もし、一緒に連れていった家族が体調不良になったとしたら、多かれ少なかれ本来の目的である仕事への影響が懸念されます。業務命令によって出張するわけですから、「海外出張と家族旅行を兼ねれば一人分の旅費が浮く(´艸`*)」といった発想ではモラルに欠くといえます。

 

また、もし宿泊費用など出張費の濫用があるとすれば、海外出張者に対する人材マネジメント上見過ごすことのできない問題なので、海外出張にまつわる旅費規程等においてルールを定めておく必要があります。たとえば、「海外出張には、家族、知人、友人等を同伴させてはならない」との旨を定めるのもひとつでしょう。

 

海外出張の期間にくっつけて年次有給休暇を申請し、現地で観光するというケースもあるかもしれませんから、延泊の取扱いもあわせてルールとして決めておくとよいでしょう。たとえば、「会社の命令した出張期間を超える場合、航空機の遅延等の特殊な事情がない限り、その費用を会社は負担しない」との旨を定めることも考えられます(福利厚生の一環として、延泊分の費用も会社が負担する、という方針ももちろんアリです。会社の考え方によります)。

 

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ちなみに、出張中(国内外問わず)の労働時間はどのようにカウントされるでしょうか。

 

出張には移動時間が多く含まれ、労働時間の把握が難しい場合が多いため、原則として、事業場外の労働にかかるみなし労働時間制(所定労働時間労働したものとみなす)を適用することになります。

 

あわせてご確認ください^^

バラの花が描かれたティーカップにスズランが生けられている。

社会保険労務士高島あゆみ

■この記事を書いた人■

社労士事務所Extension代表・社会保険労務士 高島あゆみ

「互いを磨きあう仲間に囲まれ、伸び伸び成長できる環境で、100%自分のチカラを発揮する」職場づくり・働き方をサポートするため、社会保険労務士になる。150社の就業規則を見る中に、伸びる会社と伸びない会社の就業規則には違いがあることを発見し、「社員が動く就業規則の作り方」を体系化。クライアント企業からは積極的に挑戦する社員が増えたと好評を得ている。

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