先週の金曜日10月5日に、京都商工会議所・宇城久区域商工会議所・商工会広域連携協議会の主催によるジョブカード制度普及推進セミナーで、講演をさせていただきました。
講演のテーマは「ヒトで会社を伸ばす社内体制の作り方~社員が生き生きと動く就業規則を作ろう~」です。
京都商工会議所(京都府地域ジョブ・カードセンター)さんのHPでも、開催レポートをアップされています。こちらからどうそ。
社員がイキイキ自ら行動するようになると、そこには仕事の押し付け合い、やらされ感といったものは減り、本当の意味で生産性の高い働き方ができるようになります。
そんな職場には、世間的に人材争奪戦が繰り広げられる中であっても、「自分も仲間に加わってここで働きたい」と、本気で(仕事やプロジェクトに)取り組みたい人が集まってきます。
そうすると各人のエネルギーが掛け算になって、人数以上の効果を生み出すことも期待できます。
イキイキ働きたい人がたくさん集まった会社が成長しないわけはないのです。
今やマーケットの変化は速く、ニーズはさまざまに分かれているので、ひとつの知識やスキルで何年も成果を出し続けるのは難しくなっています。成果の出し方が変わってきているのに気付かないまま、今までの経済環境やビジネスモデルに沿った働き方を続けても、せっかくの努力が思うように実を結ばないことになってしまいかねません。
企業を取り巻く状況は変わるのが当たり前なので、今までうまくいっていた方法がうまくいかなくなってきたときは、そのときの状況に合わせて違う方法を試してみるタイミングです。
今までと同じ方法、形にとらわれることなく「今、会社にいる社員たちがイキイキと気持ちを明るくして働ける環境とはどんなだろう?」と考えることがとても大切だと思います。
では、具体的にはどうやってそんな職場づくりを進めればいいのでしょうか?
そのプロセスでとても役に立つのが就業規則です。就業規則には、社員がイキイキと働くために必要な人材マネジメントのポイントが網羅されています。
★就業規則の7つのポイント
就業規則 | ポイント |
1.採用 | どんな人といっしょに仕事をやっていきたいのか |
2.雇用区分 | 社員グループが異なるメンバーと、どう仕事を分担していくのか |
3.労働時間 | どんな時間の使い方をすればいいのか |
4.時間外・休日労働 | どうすればムリ・ムラ・ムダなく仕事ができるのか |
5.年次有給休暇 | どうすれば稼働率を下げずに休めるのか |
6.賃金 | 原資をどう分配すれば社員の納得感を得られるのか |
7.退職金 | 定着率を上げて働いてもらうにはどうすればいいのか |
これらのポイントを軸にして、少しずつ試行錯誤を重ねていくことで、その会社独自のスタイルが出来上がっていきます。
法律で決められていることはあくまで最低基準です。これをクリアできていれば、「世間的にこうだから」「他社はこうしているから」といった枠にとらわれる必要はありません。
働く場としての魅力を常に保つことで、必要なときに必要な人材と出逢う力を高めることもできます。
「うちみたいな中小企業には・・・(魅力はない)」といったようなことをお聞きすることもありますが、それは「根拠のない自信のなさ」といえます。伸びる会社は「会社のビジョンを実現させるために、自分たちにはどんな強み、資源、魅力があるのか?」と、「魅力があること」を大前提にしています。「ないこと」に視線を向けず、「あること」に着目しているのです。
「根拠のない自信のなさ」は全く必要のないものなのできっぱりと捨てていただくことにして、自社の魅力に視線を向けていただきたいと思います。
社員のみなさんがイキイキと働く、オリジナリティのある自社スタイルをぜひとも追求していただきたい、との思いを込めて1時間お話しさせていただきました。
参加企業の皆様からは「今後の人材育成を考える上で参考になった」との感想をたくさんいただいたそうで、とてもうれしく思っています。
■この記事を書いた人■
社労士事務所Extension代表・社会保険労務士 高島あゆみ
「互いを磨きあう仲間に囲まれ、伸び伸び成長できる環境で、100%自分のチカラを発揮する」職場づくり・働き方をサポートするため、社会保険労務士になる。150社の就業規則を見る中に、伸びる会社と伸びない会社の就業規則には違いがあることを発見し、「社員が動く就業規則の作り方」を体系化。クライアント企業からは積極的に挑戦する社員が増えたと好評を得ている。
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