「社員と意識をひとつにするにはビジョンの共有が大切」
このようなフレーズを見たこと、耳にしたこと、みなさんもあるのではないでしょうか。
(かくいう私も「就業規則を作成するには会社(経営者)のビジョンが重要」とコンサルティングの現場でよくお伝えしています(^^♪)
とはいえ「ビジョンの共有が大切なのはわかるが、どうすればよいのかわからない。そもそもうまく言語化できない」とのお声を実際のところよくお聞きします。
では、ビジョンを自分の言葉で表現し、社員と共有するにはどうすればよいのでしょうか。
そこで今回は、ビジョンを明確化するアプローチについて詳しくみていきたいと思います。
ビジョンの共有ができない理由
「ビジョンを言語化しているのに、社員と共有できている気がしない」
その理由は経営者と社員で目線の高さのギャップがあるからです。同じ言葉でも、人によって受け取る内容(ものごとに対する認識)が違うからです。
たとえば「顧客第一」というビジョンを掲げているA社さん。
社長は「社員はお客様の本当のニーズは何かを考え、把握する能力を磨くべし」と考えています。
一方、現場社員は「お客様が『言う通り』にいつもやっている!ビジョンの通りバッチリ行動している!」と考えている・・・。
ここに悪気はまったくありません。
現実問題として、社員に経営者と全く同じ高さの視点を求めることは難しいかもしれません。
けれどそれを嘆くのではなく、事実として受け止めたうえで、社員が日常レベルで実感できる具体的な内容へ落とし込むことが大切です。
次から具体的にみていきましょう。
ビジョンを言語化するには
「いや、ビジョンそのものを明確にできないから困っているのに」との声が聞こえてきそうです。
「うちのビジョンとはなにか?」と考えてもピンとこないのなら、角度を変えてみましょう。整理するととこうです。
会社を伸ばすには
↓
ビジョンが明確であることが大切
↓
ビジョンに沿った仕事の進め方・行動パターンを明確にする
たとえば先のA社さんの例ではこうなります。
会社を伸ばすには
↓
ビジョン「顧客第一」を追求する
↓
「顧客第一」を達成する仕事の進め方・行動パターンは
「お客様を待たせない電話応対」(営業事務)、
「テキパキと事務・伝票処理を行う」(総務経理)、
「クレーム内容を文書化して共有する」「購買履歴から顧客のニーズを分析する」(営業)など
A社さんはビジョンが言語化されていましたが、ビジョンが明確になっていない場合は割り切って、「会社を伸ばすためにはどんな仕事の進め方や行動パターンが必要か?」と考えてみるのです。
つまり自社の業績向上につながるプロセスを考えること。これを日常レベルで部署や職種ごとで基本動作を洗い出してみると、社員も「なるほどな」と実感できるので、理解度もぐんと上がります。
マネジメントツールとしての就業規則
就業規則は何のために会社にとって必要なのか。
これに対する答えはいろいろあるでしょう。
その一つとして「就業規則は人が人をマネジメントするためのツールだから」と答えることができます。
そもそもなぜ人が人をマネジメントする必要があるのかというと、それは業績向上、つまり会社を伸ばすためです。
よって、会社を発展させる仕事の進め方や望ましい行動パターンを、社員へ伝えていく必要があります。そこで社員の就業環境を網羅する、就業規則がマネジメントツールとして役立つのです。
就業規則が伝える、仕事の進め方や行動パターンの目的は会社を伸ばすことですから、それらは当然経営ビジョンや事業戦略に沿ったものでなければなりません。社員が動く就業規則を採用している会社は、これらをしっかり考えているので「社員が自分の頭で考えて行動する」会社を実現されています。
ビジョンを明確にするには、業績向上プロセスを考える方法の他、特にコンサルティングの現場では「3つの原理原則ワーク」を行うことがあります。「3つの原理原則ワーク」については、「社員が動く就業規則の作り方ー雇用区分編ー」~伸びる会社の就業規則作成コンサルティング・レポートで詳しくお伝えしています。
ご興味のある方は、ぜひ資料をダウンロードしてみてくださいね。
■この記事を書いた人■
社労士事務所Extension代表・社会保険労務士 高島あゆみ
「互いを磨きあう仲間に囲まれ、伸び伸び成長できる環境で、100%自分のチカラを発揮する」職場づくり・働き方をサポートするため、社会保険労務士になる。150社の就業規則を見る中に、伸びる会社と伸びない会社の就業規則には違いがあることを発見し、「社員が動く就業規則の作り方」を体系化。クライアント企業からは積極的に挑戦する社員が増えたと好評を得ている。
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