■株式会社大智鍛造所(各種鍛工品・設備工事)
代表取締役社長 大智 靖志 様
コンサルティングを受ける前の課題・問題は?
今まで法改正には対応してきたので、その点について就業規則上の問題はありませんでした。けれど社員にその内容をしっかり理解させているか?と問われると、そうではない状態でした。
一方で、私も還暦を過ぎたので、中堅社員に私の考え方や価値観を伝えていきたい、と考えていました。けれど価値観とは曖昧模糊としたものでもあるので、どうすればうまく伝わるのかがわかりませんでした。
一般的に就業規則は「トラブル回避のためのルール」と考えられていますよね。価値観を伝えるツールではない。ではクレドはどうか。
でも自分だけで作っていては独りよがりのものになってしまいそうでした。
自分の価値観、といっても私が育ってきた時代と今の若い世代が育ってきた時代は違います。
自分が考えているものはこれからも有効なのか?
自分ひとりの考えだけでは限界があるのではないか、と。
社員と一緒に作ってみようか?とも考えました。けれど社長の私が主導すると社員の率直な意見が出にくくなる懸念がある。
だから第三者に間に入ってもらって、何らかの形にしたいとずっと考えてきました。
高島をどのようにして知りましたか?
近畿鍛工品事業協同組合主催の就業規則セミナーを受講して、高島さんのことを知りました。
「就業規則は社員を縛るものではなくて、社員それぞれの違いを活かして会社を伸ばすもの」との、高島さんの就業規則の定義付けがいいな、と思いました。
また「士業の先生」にありがちな「こうしなければいけない」「それは間違っている」といった、押し付けがましさがないのもいいな、と思いました。実際に高島さんのコンサルティングでは、社員の発言を否定せず、意見をうまく引き出しながら専門家としてリードしてもらえたと思います。
今までいろんなところが主催する就業規則や賃金制度に関するセミナーを受講してきましたが、テクニカル的なものが多かった。
確かに緻密な内容はよく研究されている、と思いましたが、果たしてうちの会社に合うのか?との疑問が残りました。
社風やものの考え方、社員の個性などはその会社によって違うもの。
高島さんはそこを尊重してくれるのではと思いました。
他にも社労士がいる中で、高島に依頼しようと思った決め手は?
就業規則セミナー終了直後に、コンサルティングの依頼をしました。
というのも、その時の課題や問題点を常日頃から考えていて、解決につながりそうだと思えば、タイミングを逃さず即決することにしているからです。経営者として極力避けたいのは時間のロスですね。
またこれは実際に会ったり、セミナーで講師を多くみてきて感じることですが、チームにモチベーションを与える経験をしてきて、その大切さを理解しているな、と思える士業の人は少ないのではないか?
自分の専門分野は勉強されているかもしれないが、理屈が先行していると感じていました(笑)
その点、高島さんはセミナーで「社員ひとり一人の違いを認めて、会社を伸ばしていく」ということを言っていて、他の士業の人とは違うな、と感じました。
実際にコンサルティングでも、高島さんは社員の個性をみて、人の話を最後までよく聞くな、と思います。
私なら社員の話であっても要点がまとまっていなければ、遮っているかもしれません(笑)
コンサルティングを利用してみて、実際どうでしたか?
会社の考え方を反映させた就業規則が完成しただけでなく、思ってもみなかった副産物もたくさんあります。
コンサルティングでは、各部門のリーダーを同席させましたが、職場の問題についてみんなで議論していたら、日頃は目にみえない問題が明らかになった。そこで「あれはこうすればいいんだ」「今度はああしてみよう」と、経営面で試したい様々なアイデアを思いつくことができました。
また社員の議論を聞いているうちに、社員への見方が変わったのも収穫でした。
たとえば今までは「慎重すぎて押しが弱い」と思っていた点も、「そこまでチームメンバーのことをみていたのか」と、現場の事情をよく考えてのことだったことがわかりました。よく勉強しているな、と感心もしました。
就業規則を作るプロセスで、職場のいろいろなことをリーダー社員と共有できたのはとても良かった。
人手不足のこれからの時代、組織の違いが企業の優劣を決めていくのではないか、と考えています。
そこで就業規則は社員の気持ちをひとつに、社員同士のつながりを持てるツールになる。
そもそも社内で起こる問題は、会社と社員の関係性によるもの。
真の問題は組織にあるのに、「あいつはいつもああだから」「やる気がないからだ」と属人的な問題にすりかえてしまいがちです。
そうすると経験上、その問題社員がいなくなっても、また別の社員が問題社員になってしまう。
だから問題が起きたときには、社員を責めたり、切り捨てるのではなくて、真の問題解決のチャンスとして捉えたい。
そこで就業規則は、この問題を今後にどう生かせばいいか?と考えるときの拠りどころになると思います。
逆にいえば、価値観を込めた就業規則に合う人が会社に残っていけばいいと思います。
「社員満足度」を高めたいと思いますが、働くすべての人に対しての満足度を上げていくのは無理です。
リーダー社員と一緒につくった、この就業規則と価値観が合う社員にとっての最大の満足を目指したい。合わない人は自然に離れていくことになるのでしょうね。